訪問調査が終わってから認定結果が手元に届くまでは、通常30日程度かかります。「調査でうまく話せなかったけれど大丈夫かな?」と不安になる時期ですが、実は調査票以外にも、医師の意見書や専門家による多角的な審査が行われています。結果が出るまでには以下のようなプロセスがあります。
二段階で行われる「公平」かつ「柔軟」な審査
認定結果は、公平性を保つための「コンピュータ判定」と、個別の事情を汲み取る「人の目による審査」の二段構えで決まります。
| 審査のステップ | 内容と役割 |
|---|---|
| 一次判定(コンピュータ) | 訪問調査の74項目と主治医意見書の一部データを専用ソフトに入力。全国一律の基準で「要介護度の目安」を算出します。 |
| 二次判定(審査会) | 医師、看護師、福祉職などの専門家5名程度が集まり、一次判定結果、特記事項(自由記述)、主治医意見書を総合的に読み解いて最終決定します。 |
ポイント
一次判定が「要介護1」であっても、特記事項に「認知症による激しい徘徊がある」といった具体的な困難が記されていれば、二次判定で「要介護2」へ引き上げられることがあります。これが、訪問調査での「伝え方」が重要な理由です。
一次判定が「要介護1」であっても、特記事項に「認知症による激しい徘徊がある」といった具体的な困難が記されていれば、二次判定で「要介護2」へ引き上げられることがあります。これが、訪問調査での「伝え方」が重要な理由です。
医療面からの証明書「主治医意見書」
市区町村が直接医師に依頼する書類です。訪問調査だけでは見えにくい「医学的なリスク」を証明する重要な役割を果たします。
- 記載内容: 傷病名、認知症の有無、医療的ケア(点滴や酸素など)の必要性、心身の状態。
- ご家族にできること: 医師が意見書を書く際、「普段の介護の苦労」が反映されるよう、診察時に「介護保険を申請した」と伝え、具体的な困りごと(足腰のふらつき、物忘れなど)を相談しておきましょう。
結果通知書が届いたら確認すべきこと
郵送で届く「認定結果通知書」には、単に介護度が書かれているだけではありません。以下の3点を必ず確認してください。
- 要介護状態区分: 非該当(自立)、要支援1・2、要介護1〜5のいずれか。
- 有効期間: 初回申請の場合は原則6ヶ月(更新は最長48ヶ月)。期間が過ぎるとサービスが全額自己負担になるため、更新時期の確認は必須です。
- 認定の理由: なぜその介護度になったのか、どのような状態と判断されたかが記されています。
「非該当(自立)」だった場合は?
介護保険サービスは使えませんが、自治体が独自に行う「総合事業」の掃除や買い物支援などが使える場合があります。諦めずに地域包括支援センターへ相談しましょう。
介護保険サービスは使えませんが、自治体が独自に行う「総合事業」の掃除や買い物支援などが使える場合があります。諦めずに地域包括支援センターへ相談しましょう。
なかなか結果が届かない時の対処法
原則は30日以内ですが、近年は主治医意見書の遅れなどで遅延するケースが増えています。
- 30日を過ぎる場合: 自治体から「遅延通知書」が届きます。いつ頃届く見込みか、自治体の介護保険窓口に電話で確認しても構いません。
- 緊急でサービスを使いたい場合: 認定結果が出る前でも、暫定的にサービスを利用できる「暫定ケアプラン」という仕組みがあります。結果が出るまで待てないほど困っている場合は、ケアマネジャーにすぐ相談してください。
まとめ:結果は「次の生活」へのスタートライン
要介護認定の結果は、ゴールではなく、プロの力を借りて「自分たちらしい生活」を取り戻すためのチケットです。どんな結果であっても、それに基づいてどのようなチーム(ケアマネジャーやヘルパー)を組むかが重要になります。
もし結果に明らかな納得がいかない場合は、審査請求(不服申し立て)という手段もありますが、まずは地域包括支援センターと一緒に、今の結果で受けられる「最大限の支援」を考えることから始めてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「介護認定審査会の運営について」
- 各市区町村発行の「介護保険のしおり」

