介護保険 自己負担の上限額

介護保険サービスは、使った分だけ自己負担が増えていきますが、月ごとの負担が重くなりすぎないように上限額が設けられています。高額介護サービス費と呼ばれるもので、1か月に支払った自己負担の合計が上限額を超えたときは、超えた分があとから払い戻しの対象になります。上限額は、世帯の課税状況や所得区分によって変わります。

高額介護サービス費

高額介護サービス費は、介護保険サービスを長く使う人にとって大切な仕組みです。訪問介護、通所介護、福祉用具、短期入所などを組み合わせると、1割負担でも月の支払いは大きくなることがあります。そうしたときでも、決められた上限額を超えた分は払い戻しの対象になります。自己負担割合が1割か2割か3割かとは別に、月ごとの上限額があると考えると分かりやすいです。

月ごとの上限額

月ごとの上限額は、世帯の課税状況や所得区分によって決まります。一般の世帯は月4万4,400円が基本ですが、住民税非課税世帯は2万4,600円、年金収入とその他の合計所得金額の合計が80万円以下の人などは1万5,000円が上限です。制度改正により、現役並み所得に当たる区分では4万4,400円を超える上限額も設けられています。

※以下の上限額は、2025年8月時点の制度に基づいています。

所得区分 月ごとの上限額
現役並み所得Ⅲ相当 140,100円(世帯)
現役並み所得Ⅱ相当 93,000円(世帯)
現役並み所得Ⅰ相当・一般 44,400円(世帯)
住民税世帯非課税 24,600円(世帯)
住民税世帯非課税で、年金収入とその他の合計所得金額の合計が80万円以下の人など 15,000円(個人)

細かな区分は毎年届く負担限度額関係の案内や、市区町村の通知で確認できます。とくに現役並み所得の扱いは、世帯の収入額や課税状況によって分かれるため、自己判断せず、通知書や窓口で確認したほうが確実です。

払い戻しの流れ

上限額を超えたからといって、その場で支払いが止まるわけではありません。いったん自己負担分を支払い、そのあとで超えた分が払い戻される形となります。

市区町村から申請書や案内が届いたら、必要事項を記入して提出します。初回の申請後は、次回以降の手続きが簡単になる場合もありますが、運用は自治体によって案内のしかたが少し違うため、届いた書類の内容を確認するようにしてください。

医療費と介護費を合算する制度

介護の負担だけでなく、医療の負担も大きい世帯では、医療保険と介護保険の自己負担を1年分まとめて見て、上限を超えた分を支給する仕組みがあります。これを高額医療合算介護サービス費といいます。対象期間は毎年8月1日から翌年7月31日までです。介護だけの月額上限とは別の制度なので、長期の通院と介護が重なっている世帯では、この制度もあわせて確認しておくとよいです。

高額医療合算介護サービス費の上限額

医療費と介護費を合算した年間の上限額は、年齢と所得区分によって変わります。また70歳未満と70歳以上では区分が異なります。現在の厚生労働省資料では、年間の上限額は次のように案内されています。

70歳未満

所得区分 年間上限額
年収約1,160万円以上 212万円
年収約770万円以上約1,160万円未満 141万円
年収約370万円以上約770万円未満 67万円
年収約370万円未満 60万円
住民税世帯非課税 34万円

70歳以上

所得区分 年間上限額
年収約1,160万円以上 212万円
年収約770万円以上約1,160万円未満 141万円
年収約370万円以上約770万円未満 67万円
一般 56万円
住民税世帯非課税 31万円
住民税世帯非課税で年金収入80万円以下など(本人のみ) 19万円

確認しておきたいこと

自己負担の上限額を見るときは、月額の上限だけで終わらせず、医療費との合算制度まで含めて考えるようにしましょう。介護サービスの支払いが多い月が続いているときや、医療機関への通院や入院も重なっているとき、世帯の課税状況が変わったときなどには、上限額の区分が変わっていないかを確かめたほうが安心です。分からないときは、市区町村の介護保険窓口や担当のケアマネジャーに確認するようにしてください。

参考資料

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