【介護の入口】基本チェックリスト 対象者・内容・使い方

介護保険サービスの入り口ともいえるのが「基本チェックリスト」です。これは、高齢者の心身の状態を簡易的に確認するための25項目からなる質問票で、厚生労働省が策定した全国共通の基準に基づいています。

日常生活における行動や認知機能、口腔・栄養状態、社会参加などについて自己申告形式で回答します。

このチェックリストは、要介護認定を受ける前段階として、要支援認定(介護予防サービス利用)につながる判断材料として利用されます。

対象者はどんな人?

基本チェックリストの対象者は、おもに65歳以上の高齢者で、次のような人が該当します。

  •  最近なんとなく体力が落ちてきたと感じる方
  •  転倒やつまずきが増えた方
  •  認知機能の衰えが気になる方
  •  地域包括支援センターや市区町村から案内を受けた方

また、市町村によっては、特定健診(いわゆるメタボ健診)後に基本チェックリストを併用して介護予防対象者を抽出する場面でも使われています。

チェックリストの内容と評価基準

 基本チェックリストの25項目と評価の目安

以下は厚生労働省が定めた基本チェックリストの全25項目の内容です。各質問に対して「はい」または「いいえ」で回答し、「はい」が多くなるほど自立度が高いとされますが、「いいえ」が一定数を超えると支援が必要と判断される場合があります。

1. 日常生活

1. バスや電車を使って一人で外出していますか?
2. 日用品の買い物をしていますか?
3. 預貯金の出し入れをしていますか?

2. 運動機能

4. 転倒することなく歩けていますか?
5. 転んだことがありますか?
6. 家の中でつまずくことがありますか?
7. 階段を手すりや壁につかまらずに上がっていますか?
8. 転倒防止のために筋力を高める運動をしていますか?

3. 栄養

9. 6ヶ月で2〜3kg以上の体重減少がありましたか?
10. 毎日3食食べていますか?
11. 食べる意欲がありますか?

4. 口腔機能

12. 半年前と比べて固いものが食べにくくなりましたか?
13. お茶や汁物でむせることがありますか?
14. 口の渇きが気になりますか?

5. 社会とのつながり

15. 週に1回以上は外出していますか?
16. 周囲の人と交流がありますか?
17. 近所付き合いがありますか?

6. 認知機能

18. 今日が何日か分かりますか?
19. 自分の生年月日が言えますか?
20. 同じことを何度も尋ねることがありますか?

7. 精神面

21. 自分が何のために生活しているか分からなくなることがありますか?
22. 気分が沈むことがありますか?

8. 閉じこもり・介護状況

23. ほとんど外出せず家に閉じこもりがちですか?
24. 一人で排泄を行っていますか?
25. 最近1ヶ月で介護が必要と感じることがありましたか?

評価の目安

「はい」「いいえ」の回答数に応じて、市町村が介護予防・生活支援サービスの利用対象者かどうかを判断します。

たとえば「いいえ」が10項目以上ある場合や、運動機能・口腔機能・認知機能など特定領域で一定数の「いいえ」がある場合は、支援が必要と判断されることがあります

※基準は市町村によって若干異なるため、詳細は地域包括支援センターにご確認ください。

質問は「バスや電車を使って一人で外出していますか?」「最近2キロ以上の体重減少がありましたか?」「週に1回以上は友人と交流がありますか?」など、高齢者の生活全体にわたる内容です。

チェックリストの結果に応じて、以下のような判断が行われます。

  • 一定数以上の該当項目がある場合:介護予防サービスが必要と判断され、要支援認定の申請へと進む
  • 該当が少ない場合:自立生活が維持できているとされ、地域の一般予防サービスを案内されることもある

申し込み方法と流れ

基本チェックリストは、お住まいの市区町村の窓口や地域包括支援センターで受けることができます。申請書類の提出は不要で、本人や家族が直接相談することで実施されるケースが多いです。

実施方法は面談形式・郵送・電話など自治体によって異なります。結果はその場で確認できることもあり、必要に応じて地域包括支援センターの職員が今後の支援方法を提案してくれます。

利用者にとってのメリットとは?

基本チェックリストは、介護サービスをすぐに利用するためだけのものではありません。以下のようなメリットがあります。

  • 自分自身の健康状態や生活力を客観的に把握できる
  • 要介護認定を受ける前に介護予防サービスを受けられる可能性がある
  • 早めの支援につながり、重度化を防げる

とくに「最近ちょっと不安があるけど、病院に行くほどではない」という方にとって、気軽に相談・確認できる仕組みとして有効です。

参考資料

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