離れて暮らす親の様子が気になりはじめたとき、「見守りカメラを置こうか」「安否確認サービスを使ってみようか」と考える方も多いかと思います。ただ、いざ調べてみると種類が多く、どれを選べばよいのか迷ってしまうこともあるかと思います。
この記事では、見守りカメラと安否確認サービスのそれぞれの特徴や選ぶときのポイント、導入前に確認しておきたいことについて整理してみます。
見守りの手段にはどんな種類があるか
一口に「見守り」といっても、手段はいくつかに分かれます。大きくは「カメラ系」「センサー系」「定期連絡系」の3つに整理できます。それぞれの特徴を知った上で、親の生活スタイルや家族の状況に合ったものを選べるとよいかと思います。
| 種類 | 主な仕組み | 向いているケース |
| 見守りカメラ | 室内にカメラを設置し、スマートフォンなどから映像をリアルタイムで確認できる | 日中の様子や活動量を映像で確認したい場合 |
| センサー型見守り | 人感センサーや開閉センサーで生活リズムを検知し、動きがない場合に通知が届く | カメラに抵抗がある場合や、生活リズムの把握をメインにしたい場合 |
| 安否確認サービス(電話・訪問) | 定期的な電話や訪問で安否を確認し、応答がない場合に家族に連絡が入る | 一人暮らしで緊急時の対応も含めてカバーしたい場合 |
| スマートスピーカー連携型 | 会話や質問への応答を通じて様子を確認し、異変があれば通知する | 機械に慣れている親や、自然な形で見守りを行いたい場合 |
見守りカメラを選ぶときのポイント
画質・視野角・夜間対応
カメラの画質はフルHD(1080p)程度あれば、顔の表情や室内の状況を十分に確認できるかと思います。視野角が広いものを選ぶと、一台で部屋全体をカバーしやすくなります。夜間の確認が必要な場合は、暗視機能(ナイトビジョン)が付いているかどうかも確認しておくとよいでしょう。
通信環境と操作のしやすさ
見守りカメラはWi-Fi環境が必要なものがほとんどです。親の自宅にWi-Fiが通っているかどうか、また通信が安定しているかを事前に確認しておく必要があります。親がカメラの電源やアプリ操作をする必要がない仕組みになっているかも、導入前に確かめておけるとよいかと思います。
録画・保存機能
リアルタイムで映像を確認するだけでなく、過去の映像をさかのぼって確認できるかどうかも選ぶ際のポイントになります。クラウドに録画を保存するタイプと、本体のSDカードに保存するタイプがあり、クラウド保存は別途月額料金がかかる場合があります。
双方向通話機能
カメラ越しに声をかけられる双方向通話機能が付いているものもあります。映像で確認しながら会話もできるため、親が一人でいる時間の安心感につながることがあります。ただし、親がその機能を使いこなせるかどうかを考慮した上で選ぶとよいかと思います。
センサー型見守りの特徴
カメラによる映像の確認に抵抗を感じる親も少なくありません。そのような場合は、生活動線上にセンサーを設置し、動きの有無から生活リズムを把握するタイプを検討する選択肢もあります。
たとえば、冷蔵庫やトイレのドアに開閉センサーを取り付けると、「今日は朝から動いているか」「いつも通りの時間に起きているか」といった様子を映像を使わずに把握できます。一定時間動きが検知されない場合に家族のスマートフォンへ通知が届く仕組みのものもあります。
プライバシーへの配慮を優先しながら見守りを行いたい場合に向いているかと思います。
安否確認サービスを選ぶときのポイント
電話型・訪問型・アプリ型の違い
安否確認サービスには、定期的に電話をかけて応答を確認するタイプ、スタッフが直接訪問するタイプ、専用アプリでボタンを押すだけで安否を知らせるタイプなど、さまざまな形があります。
電話型は費用が比較的抑えやすく、毎日決まった時間に連絡が入るため生活リズムの把握にも役立ちます。訪問型は確認の精度が高い一方で費用が高めになる傾向があります。アプリ型は操作が簡単なものも多いですが、スマートフォンを使いこなせるかどうかが前提になります。
緊急時の対応範囲
応答がなかった場合に家族への連絡だけで終わるサービスと、警備員やスタッフが実際に駆けつけるところまでカバーしているサービスでは、費用も対応範囲も大きく異なります。遠方に住んでいて「すぐに駆けつけられない」という状況であれば、緊急時の対応がサービスに含まれているかどうかを確認しておくことが重要になるかと思います。
連絡頻度と時間帯
サービスによって、連絡の頻度(毎日・週数回など)や時間帯が決まっている場合があります。親の生活リズムに合っているかどうか、また親が受け取りやすい形かどうかを考慮した上で選べるとよいかと思います。
費用の目安
費用は製品やサービスによって幅がありますが、おおまかな目安として以下のように整理できます。
| 種類 | 初期費用の目安 | 月額費用の目安 |
| 見守りカメラ(買い切り型) | 3,000〜15,000円程度 | 0〜1,500円程度(クラウド録画の場合) |
| センサー型見守りサービス | 機器代 5,000〜30,000円程度 | 500〜3,000円程度 |
| 安否確認サービス(電話型) | 0〜10,000円程度 | 1,000〜5,000円程度 |
| 安否確認+緊急駆けつけあり | 機器代・登録料 10,000〜30,000円程度 | 3,000〜6,000円程度 |
介護保険の適用外となるサービスがほとんどですが、自治体によっては高齢者の見守りサービスに対して補助金が出る場合もあります。市区町村の福祉窓口で確認してみるとよいかと思います。
実際に利用できる製品・サービスの例
ここでは、2026年3月時点で日本国内で利用できる製品・サービスの中から、親の状況や家族のニーズに合わせて選びやすいものをいくつか紹介します。料金や仕様は変更される場合がありますので、最新情報は各公式サイトをご確認ください。
みまもりCUBE(ラムロック)— 見守りカメラ
Wi-Fi環境がない実家でも導入できる点が、このカメラの大きな特徴です。SIMカードが内蔵されているため、コンセントに挿すだけで使い始めることができます。スマートフォンから映像をリアルタイムで確認できるほか、双方向通話・夜間暗視・動体検知にも対応しています。
初期費用3,850円(税込)、通信費は月額1,650円(税込)が目安です。要介護2以上で認知症の診断がある場合には、介護保険レンタルとして利用できる場合もあります。ケアマネジャーに相談してみるとよいかと思います。
ハローライト(HelloLight)— IoT電球型

家の電球をIoT電球に交換するだけで始められる、プライバシーへの配慮を重視したい場合に向いているサービスです。Wi-Fiや工事は不要で、電球自体にSIMが内蔵されています。前日朝9時〜当日朝9時の間に電球の点灯・消灯が確認できない場合に、登録したメールアドレスに通知が届く仕組みです。
直営プランは月額495円(税込)と費用が抑えられ、Amazonでも購入できます。設置場所としてはトイレや洗面台など、毎日必ず使う場所が適しているとされています。
クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン(ヤマト運輸)— IoT電球+駆けつけ
上記のハローライトをベースに、異常を検知した際にヤマト運輸のスタッフが代わりに自宅を訪問してくれるオプションが加わったサービスです。遠方に住んでいてすぐに駆けつけられない場合に、安心感が高まるかと思います。設置費用は0円で、月額1,078円(税込)が目安です。一部対象外のエリアがあるため、申し込み前に確認しておくとよいでしょう。
郵便局のみまもりサービス(日本郵便)— 訪問・電話型
機器の設置が一切不要で、親が「郵便局の人なら安心」と感じやすい点が強みのサービスです。月1回の訪問サービス(月額2,500円・税込)と、毎日自動音声電話で体調確認を行うみまもりでんわサービス(月額1,070〜1,280円・税込)の2種類があり、組み合わせて利用することもできます。訪問後は写真付きの報告書が家族に共有されます。
オプションとしてセコムやアルソックによる駆けつけサービス(月額880円・税込)を追加することも可能です。また、ケガで入院した場合に日額3,000円が支払われる「みまもり保険」が訪問サービスに追加料金なしで付いている点も、他のサービスにはない特徴のひとつかと思います。
導入前に確認しておきたいこと
本人の了承を得ること
見守りカメラやセンサーを導入する際に、もっとも大切なのは本人の了承を得ることです。たとえ家族の心配から始まったことであっても、本人に知らせずに設置することは信頼関係を損なうことになりかねません。
「何かあったときに気づけるようにしたい」という思いを正直に伝えながら、本人の気持ちや意見を聞いた上で進めるのが望ましいかと思います。カメラに抵抗がある場合はセンサー型を提案するなど、本人が受け入れやすい形を探すことも大切です。
設置場所とプライバシーへの配慮
見守りカメラを設置する場合、トイレや浴室などプライバシーに関わる場所への設置は避けるのが基本です。リビングや玄関付近など、日常の様子を自然に確認できる場所を選ぶのが一般的です。
また、映像データがどのように管理・保存されるかは、サービスを選ぶ際に確認しておいたほうがよい点のひとつです。
操作やメンテナンスの負担を考える
導入後に親が自分で操作しなければならない場面がどの程度あるかも、事前に確認しておくとよいかと思います。充電が必要な機器であれば充電を忘れる可能性があること、Wi-Fiが切れた場合に映像が確認できなくなることなど、実際の運用を想定しておくと、導入後のトラブルを減らしやすくなります。
初期設定を家族が行える機器か、設置サポートが提供されているサービスかどうかも、選ぶ際の判断材料になるかと思います。
最後に
見守りカメラや安否確認サービスは、離れて暮らす家族の不安を和らげてくれる手段のひとつです。ただ、機器を導入すれば安心というわけではなく、本人が無理なく受け入れられる形かどうか、実際の生活の中で使い続けられるかどうかを考えながら選ぶことが大切かと思います。
まずは本人と一緒に話し合い、「どんな形の見守りなら安心できるか」を確認するところから始めてみるのがよいかと思います。選ぶ際に迷ったときは、地域包括支援センターや福祉用具の相談窓口に問い合わせてみると、地域の状況に合ったアドバイスをもらえることもあります。
