見守りセンサー・IoT家電の導入ポイント

高齢者が自宅で安全に暮らし続けられるように、見守りセンサーやIoT家電を導入する家庭も増えているかと思います。我が家でも見守りカメラから始めて、家電の遠隔操作ができるものなど徐々に増やしてきました。離れて暮らす家族も日常の様子を把握しやすくなり、高齢者本人にとっても安心感につながります。ここでは、導入を検討する際に押さえておきたいポイントや、具体的な機器の種類と機能について整理してみます。

具体的なIoT家電の種類と機能

① スマート照明

暗い場所での転倒リスクが心配な場合や、夜間にトイレへ向かう際の負担を軽くしたいときに役立ちます。

  • 動きを検知すると自動で点灯するため、スイッチ操作が難しい場面を支えられる
  • スマホで点灯・消灯の確認ができ、消し忘れがあっても遠隔で調整できる
  • 足元灯だけの点灯設定ができるため、まぶしさを避けながら安全を確保できる

「夜中に真っ暗で怖い」「足元が見えづらい」といった困り事に対して、少し安心感を持って移動できる環境づくりに向いています。

② スマートエアコン

高齢者は暑さや寒さを感じにくく、室温管理が難しいことがあるため、熱中症リスクや寒さによる体調不良が気になる場面で役立ちます。

  • 室温をスマホで確認でき、暑すぎる・寒すぎる環境に早めに気づける
  • 外出先からエアコンを操作でき、本人が操作を忘れていても調整できる
  • 長時間エアコンが切れている場合に気づきやすく、体調悪化の予防につながる

「冷房をつけたつもりでついていなかった」「暑さに気づかず具合が悪くなる」などの状況を減らしやすくなります。

③ スマートロック(玄関の鍵)

鍵の閉め忘れや、夜間・早朝の外出が増えてきた時の見守りに向いています。

  • 開け閉めがスマホに通知されるため、不自然な時間帯の外出に早く気づける
  • 鍵の閉め忘れを確認でき、必要なら遠隔で施錠できる
  • 物理的な鍵を持たない運用ができるため、紛失の不安を減らせる

「鍵をかけ忘れることが増えてきた」「外出が心配」という家族の不安を少し軽くできる仕組みです。

④ スマートカメラ(必要性に応じて)

転倒の頻度が増えた場合や、在宅での体調変化に気づきたい場面で検討されます。ただしプライバシーへの配慮も重要です。

  • 一定時間動きがない場合に通知が届き、早めの気づきにつながる
  • 食事・水分摂取の様子など、生活状況の確認に使われることがある
  • 映像ではなく「動作の有無」だけを把握できる設定も可能

「急に倒れてしまったらどうしよう」といった不安が強い場合、適切な設定で安心感を補えることがあります。

⑤ センサー機器(非カメラ型の見守り)

カメラに抵抗がある場合に、プライバシーに配慮しながら、生活リズムの変化や異変に気づきやすくなる仕組みです。映像を映さないため抵抗感が少なく、導入しやすいタイプです。

● 人感センサー

  • 一定時間動きがないと通知され、早めの気づきにつながる
  • 夜間の動きを検知し、照明を自動でつける設定も可能

「トイレに行っていないようで心配」「転倒していないか気になる」という場面に向いています。

● ドア・冷蔵庫・ポットの開閉センサー

  • 外出や食事・水分摂取の変化が把握しやすくなる
  • 深夜の外出や冷蔵庫未使用など、生活リズムの乱れに気づきやすい

「食事量が減っているかもしれない」「夜中に外へ出ないか心配」という悩みに対応しやすい仕組みです。

● 温湿度センサー

  • 熱中症リスクの高い環境を検知し、アラートで知らせてくれる
  • 寒い季節の低体温リスクにも気づきやすい

「室温調整が苦手」「エアコンをつけないで過ごしてしまう」家庭で使われています。

⑥ スマートコンセント

電気ポットや暖房器具など、電源を切り忘れやすい家電がある場合に役立ちます。

  • 使用状況をスマホで確認でき、異常に長く電源が入っている場合に気づける
  • 遠隔で電源オフにできるため、火災リスクを減らせる
  • 普段の使い方から生活リズムの変化に気づくこともある

「ポットを何度もつけっぱなしにしてしまう」「暖房器具が心配」というときに役立つ選択肢です。

⑦ スマートスピーカー

音声操作で生活を支えられるため、細かな操作が難しくなってきたときに向いています。

  • 照明・テレビ・エアコンなどを声で操作できる
  • 服薬アラームや予定リマインダーが自動で通知される
  • 簡単な会話や音楽再生が孤独感の軽減につながることもある

「ボタンが小さくて押しづらい」「操作が覚えられない」といった悩みに対して、暮らしやすさを補う役割があります。

導入時のポイント

本人の負担にならないか

機器が多すぎると混乱しやすくなるため、まずは必要最低限から始めて、生活に合うかどうか見ながら調整する方法が適しています。

プライバシーを尊重する

カメラや詳細な行動記録が残る仕組みは慎重な検討が必要です。本人が安心して使える範囲で導入することが大切です。

家の構造とWi-Fi環境を確認する

センサーは場所によって反応が変わるため、生活動線を意識した設置がポイントです。
またIoT家電はWi-Fiに依存するため、通信環境の確認も重要です。

まとめ

見守りセンサーやIoT家電は、設置することで離れて暮らす家族にとって安心材料になり、高齢者本人の負担を減らすきっかけにもなると思います。どの機器が役に立ちそうかは家庭によって異なるため、小さなところから試していきながら、暮らしの流れに合った形に整えていくのがよいと思います。日常の不安を少しずつ減らし、できるだけ穏やかに過ごすための選択肢として参考にしていただければと思います。

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