在宅で介護をしていると、夜なかなか眠れない、昼夜が逆転してしまうといった睡眠リズムの変化に気づくことがあります。睡眠の問題は体調だけでなく、日中の活動量や気分にも影響するため、生活環境を見直すことが一つの手がかりになります。
ここでは、住まいの環境や日中の過ごし方を中心に、睡眠リズムを整えるために考えられる工夫を整理してみます。
高齢期に睡眠リズムが乱れやすくなる背景
加齢に伴い、睡眠の時間帯や深さが変化します。夜間に長く眠り続けることが難しくなり、早朝に目が覚めたり、日中にうたた寝が増えたりすることがあります。また、活動量の低下や外出機会の減少により、昼と夜の区別がつきにくくなる場合もあります。
睡眠環境を整えるための基本的な視点
昼と夜のメリハリを環境でつくる
睡眠リズムを整えるためには、昼と夜の違いを環境で示すことが重要になるといわれています。
日中はできるだけ自然光を取り入れ、カーテンを開けて過ごします。夜は照明を落とし、テレビやスマートフォンの使用を控えることで、体が休息の時間だと認識しやすくなります。
寝室を「眠るための場所」として整える
寝室が明るすぎたり、物音が多かったりすると、眠りが浅くなります。照明は必要最低限にし、テレビやラジオは就寝時には消します。
温度や湿度も重要で、季節に応じてエアコンや加湿器を使い、過ごしやすい状態を保ちます。
日中の過ごし方が夜の睡眠に与える影響
日中の活動量を意識する
日中に体を動かす機会が少ないと、夜に眠りにくくなります。散歩や家の中での軽い体操、家事への参加など、無理のない範囲で体を動かす時間を取り入れることで、夜間の睡眠につながります。
昼寝の時間と長さを見直す
昼寝が長くなりすぎると、夜の眠りに影響します。昼寝をする場合は、時間帯を午後の早い時間に限定し、長くなりすぎないように調整します。
夜間の不安や覚醒への対応
完全に暗くしすぎない工夫
夜間に目が覚めた際、真っ暗な環境だと不安が強くなることがあります。足元灯や間接照明を使い、周囲がうっすら見える状態にしておくことで、落ち着いて再び休めることがあります。
夜間の生活音を最小限にする
トイレや移動の際の音が刺激になることがあります。床にマットを敷く、扉の開閉音を抑えるなど、生活音を減らす工夫も環境づくりの一部です。
医療や専門職への相談も視野に入れる
環境を整えても睡眠の乱れが続く場合、体調や服薬の影響が関係していることがあります。
かかりつけ医や訪問看護師、ケアマネジャーに相談することで、医療的な視点からのアドバイスや指導をしてもらえます。
まとめとして意識しておきたいこと
睡眠リズムの乱れは、本人の意思や努力だけで解決できる問題ではありません。住まいの環境、日中の過ごし方、夜間の安心感といった要素を分解して一つずつ整えることで、生活全体のリズムを見直すこともできます。
無理に元の状態に戻そうとはせず、現在の状態に合わせた環境づくりを考えていくことが大切だと思います。

