転倒を防ぐための住まいと家具の見直し

高齢になると、筋力やバランス感覚の低下、視力の変化などにより、ちょっとした段差や家具につまずきやすくなることがあります。転倒は骨折や寝たきりにつながることもあり、できるだけ予防しておきたいリスクの一つです。ここでは、住まいの環境や家具の配置を見直すことで、転倒を防ぎやすくするための考え方を整理してみます。

転倒が起こりやすい住まいの特徴

段差や敷居が多い

室内のわずかな段差や敷居は、若い頃には気にならなくても、足が上がりにくくなるとつまずきやすくなります。特に、廊下と部屋の境目、玄関、浴室の出入り口などは注意が必要です。

動線上に物が置かれている

通路や部屋の出入り口に家具や荷物があると、避けようとした際にバランスを崩すことがあります。生活動線が複雑になるほど、転倒リスクは高まりやすくなります。

照明が暗く、足元が見えにくい

夜間や薄暗い場所では、段差や物の位置が分かりにくくなります。視力の低下も重なると、転倒につながりやすくなります。

住まいの見直しでできる転倒対策

床の段差を減らす・目立たせる

大がかりな工事をしなくても、段差にスロープを設置したり、色の違うテープで目立たせたりすることで、つまずきにくくなる場合があります。

手すりを設置する

廊下、階段、トイレ、浴室など、体を支えたい場所に手すりがあると安心感が増します。介護保険の住宅改修制度を利用できるケースもあります。

滑りにくい床材・マットを選ぶ

浴室や玄関など滑りやすい場所には、滑り止め加工されたマットを敷く方法があります。めくれやすいマットはかえって危険になるため、固定できるものを選ぶことが大切です。

夜間照明・足元灯を活用する

トイレまでの通路や寝室の足元に照明を設置すると、夜間の移動が楽になります。人感センサー付きの照明も選択肢の一つです。

家具の配置と選び方のポイント

通路を広く、まっすぐ確保する

家具は壁際に寄せ、移動する通路をできるだけ広く取ると、つまずきやすさが減ります。頻繁に使う家具ほど、無理のない位置に配置することが重要です。

高さが合った家具を選ぶ

椅子やベッドは、立ち座りの際に膝や腰に負担がかかりにくい高さが望ましいとされています。低すぎる家具は、立ち上がる際にふらつきやすくなります。

キャスター付き家具には注意する

動かしやすい反面、体を預けたときに動いてしまうことがあります。高齢者がよく触れる家具は、固定できるタイプの方が安心です。

コード類はまとめて整理する

電源コードや延長コードが床を這っていると、足を引っかけやすくなります。壁沿いにまとめる、コードカバーを使うなどの工夫が有効です。

無理のない範囲で少しずつ進めましょう

転倒対策は、すべてを一度に整えようとすると負担が大きくなります。まずは転倒しやすそうな場所から一つずつ見直し、本人の様子を見ながら調整していく方法が続けやすいと思います。住まいと家具を少し整えるだけでも、日々の安心感は変わってくるかと思います。

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