在宅で過ごす時間が長くなると、日中の活動量が自然と減ってしまうことがあります。活動量の低下は、体力だけでなく、夜間の睡眠や生活リズムにも影響を及ぼします。ここでは、特別な準備をせずに取り入れやすい体操や外出の工夫を整理してみます。
日中の活動量が減りやすい背景
高齢になると、外出の機会が減ったり、動くことに不安を感じたりする場面が増えます。また、テレビや横になって過ごす時間が増えることで、気づかないうちに活動と休息の区別が曖昧になることもあります。
無理に運動量を増やすのではなく、日中に体を動かす時間を意識的に作ることが、生活全体のリズムを整える一歩になります。
室内でできる簡単な体操のアイデア
椅子に座ったままの体操
立ち上がることに不安がある場合は、椅子に座った状態で体を動かします。足踏みをする、つま先とかかとを交互に動かす、腕を前後に振るといった動きでも、血流が促されます。
手や指を動かす体操
座ったまま行える体操として、手指を使った動きも取り入れられます。指を一本ずつ曲げ伸ばしする、手をグー・パーと開閉する、タオルを握って軽く絞るといった動きは、上肢の血流を促します。
姿勢を変えることを意識した体操
同じ姿勢が続かないよう、一定時間ごとに姿勢を変えることも活動量の一部と考えられます。椅子から立ち上がって数秒立つ、座り直すといった動きも、体を使う機会になります。
音楽に合わせた軽い動き
好きな音楽やテレビ番組に合わせて、手拍子をする、肩を上下に動かすなど、リズムに乗った動きも取り入れられます。決まった回数をこなすより、楽しみながら体を動かすことを重視します。
生活動作に体操を組み込む
体操の時間を別に設けなくても、歯みがき中にかかとを上げ下げするなど、日常動作に動きを加える方法があります。短時間でも繰り返すことで、体を動かす習慣が定着します。
外出につなげるための工夫
目的を小さく設定する
「散歩に行く」と考えると負担に感じる場合でも、「郵便物を出す」「近くの自動販売機まで行く」といった短い外出であれば取り組みやすくなります。距離や時間は、その日の体調に合わせて調整します。
日常の用事を外出のきっかけにする
外出を特別な予定として考えず、日常の用事に結びつける方法があります。ゴミ出しの時間に少し遠回りをする、近所の掲示板を見に行くといった短時間の外出も、活動量を増やす一つの機会になります。
座れる場所を目的地にする
体力に不安がある場合は、途中や到着後に座れる場所を目的地に設定します。公園のベンチ、商店街の休憩スペース、図書館などは、無理のない外出につながります。
人との関わりを含めた外出
買い物や散歩に加えて、顔なじみの店や知人に会う予定を組み込むと、外出の意味が明確になります。会話の時間が加わることで、身体面だけでなく気分の変化にもつながります。
時間帯を決めて外に出る
午前中や昼過ぎなど、毎日ある程度同じ時間帯に外へ出ることで、体内時計が整いやすくなります。天候や体調に応じて無理のない範囲で続けることが大切です。
家族や周囲の関わり方
「運動しなければならない」と伝えるよりも、「一緒に少し動こうか」「気分転換に外の空気を吸いに行こう」と声をかけるほうが、受け入れられやすい場合があります。活動の目的を体力向上に限定せず、気分転換や生活の一部として位置づけます。
少し動く時間を積み重ねる
日中の活動量を増やすことは、特別な運動を続けることではありません。短い動きや外出を積み重ねることで、生活全体のリズムが整いやすくなります。できる範囲の工夫から取り入れていくことが、長く続けるためのポイントになります。
参考資料
・厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 高齢者版」
