訪問入浴介護は、介護保険サービスの一つで、自宅での入浴が困難な高齢者や障害のある方を対象に、専用の浴槽を使用して自宅での入浴を支援するサービスです。身体の清潔を保つだけでなく、血行促進や気分のリフレッシュ、皮膚疾患の予防にもつながる大切なケアです。
訪問入浴介護とは
訪問入浴介護は、要介護1以上の認定を受けた方が対象となります。看護師と介護職員（通常2名）が利用者の自宅を訪問し、専用のポータブル浴槽を使用して入浴を提供します。入浴前後のバイタルチェックや洗体・洗髪も含まれる、専門性の高いサービスです。
サービスの流れ
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事前準備
浴槽を搬入し、お湯を沸かす設備を整えます。利用者のベッドサイドやリビングなど、スペースに応じて設置されます。 -
健康状態の確認
看護師が血圧や体温、脈拍などのバイタルサインを測定し、入浴が可能かどうかを判断します。体調不良の場合は中止されることもあります。 -
入浴介助
衣類の着脱や身体の洗浄、洗髪などを行い、安全に配慮しながら入浴介助を行います。温度管理や体位変換などにも細やかな対応が求められます。 -
入浴後のケア
体調の再確認や身体の保温、着衣の補助などを行います。必要に応じてスキンケアや褥瘡の観察・処置も行われます。 -
後片付け
浴槽を撤去し、使用した機材やスペースを清掃します。
訪問入浴介護の対象者
次のような方が対象となります。
- 自力での入浴が困難な要介護1～5の方
- 医療的ケアが必要な方（医師の許可がある場合）
- 一時的に身体機能が低下している方（例：退院直後）
- 衛生面や褥瘡予防のために定期的な入浴が必要な方
医療的対応について
訪問入浴介護には看護師が同行するため、以下のような医療的ケアにも対応できる場合があります。
- 点滴・カテーテル管理中の方
- ストーマ（人工肛門・膀胱）を使用している方
- 褥瘡がある方への観察・保護
- 医師の意見書があれば、在宅酸素療法中の方も対応可能
※ただし、疾患の状態や事業所の体制により対応可否が異なります。
利用するには
訪問入浴介護を利用するには、ケアマネージャーと相談の上、ケアプランに位置づける必要があります。また、医師による入浴の可否判断と意見書の提出が求められることもあります。
費用の目安
介護保険が適用される場合、自己負担は原則1割（一定所得以上は2〜3割）です。1回あたりの自己負担額はおよそ1,200円〜1,800円前後（地域加算・処遇改善加算等により異なる）となっています。
利用にあたっての注意点
- 入浴スペース（6畳程度）と給湯・排水の確保が必要です
- 家族の在宅が求められることがあります（安全管理のため）
- 医療的な変化があった際は、すみやかに報告が必要です
まとめ
訪問入浴介護は、自宅での生活を続けながら入浴のサポートが受けられる、心強いサービスです。安心して利用するためには、ケアマネージャーや医療機関としっかり連携しながら、体調や住環境に合わせて無理のない形で取り入れていくのがよいと思います。
