夜間対応型訪問介護は、夜間や早朝の時間帯にも訪問介護を受けられる介護保険サービスの一つです。通常の訪問介護では、サービス提供の時間帯が日中に限られることが多いため、夜間の介助が必要な高齢者にとっては不安が残るケースもあります。
そのようなニーズに応えるために設けられているのが、この夜間対応型訪問介護です。介護が必要な方が夜間でも安心して在宅で暮らし続けられるよう支援することを目的としています。
対象となる人
要介護1~5と認定されている方が対象です。特に、次のような方に適しています。
- 夜間に排泄介助や体位変換が必要な方
- 一人暮らしで夜間の見守りが不安な方
- 深夜に起こる可能性のある体調変化や不安に備えたい方
サービスの内容
夜間対応型訪問介護では、主に次の3つの支援体制が組み合わされています。
定期巡回
- 夜間帯(例えば午後10時〜翌朝6時など)に、あらかじめ決められた時間に訪問
- 排泄や体位変換、安否確認、服薬確認などを行います
- ケアプランに基づいて訪問回数や時間を調整
随時対応(オペレーションセンター)
- 夜間の相談に24時間対応するコールセンターが設置されています
- 利用者や家族が電話で相談でき、必要に応じて指示を出します
随時訪問
- コールセンターからの指示により、ヘルパーが夜間でも実際に訪問
- 状況に応じて柔軟に対応できるのが特徴です
※訪問看護は対象外です(医療行為を伴う場合は、別途訪問看護サービスの利用が必要です)
利用料金(自己負担)
このサービスは介護保険の給付対象です。自己負担割合(1割~3割)に応じた月額定額制が基本となっており、以下は1割負担の場合の一例です。
要介護度 | 月額の目安 |
---|---|
要介護1 | 約4,000〜5,000円 |
要介護2 | 約6,000〜7,000円 |
要介護3〜5 | 約8,000〜10,000円 |
※地域や事業所によって異なります。利用前に事業所やケアマネージャーに確認するのが安心です。
利用方法と申し込みの流れ
- ケアマネージャーに相談
- サービスを提供している事業所を確認・選定
- ケアプランに位置付け
- 事業所と契約を結び、サービス開始
注意点と確認しておきたいこと
- 提供事業所が限られている地域もあり、利用できない場合もあります
- 夜間の訪問回数や範囲に制限があることもあるため、事前に内容の確認が必要です
- 医療的処置(点滴・吸引など)が必要な場合は、訪問看護との併用が必要です
まとめ
夜間対応型訪問介護は、夜間の不安を減らし、自宅での生活を支える強力なサービスの一つです。特に、一人暮らしや家族の支援が難しい方にとっては、大きな安心感につながると思います。必要と感じたときには、まずはケアマネージャーや地域包括支援センターに相談してみるのが良いでしょう。