高齢者が住み慣れた自宅で安心して生活を続けるために、介護と医療の連携がより求められるようになってきました。そんなニーズに応えるかたちで提供されているのが、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」です。
24時間365日対応の新しい在宅サービス
これは、介護保険サービスのひとつで、訪問介護や訪問看護を柔軟に組み合わせ、必要に応じて随時訪問ができる体制を整えたものです。独居高齢者や医療ニーズのある要介護者にとって非常に有効です。
24時間体制で利用でき、日中・夜間を通じて、定期的な訪問や必要時の随時訪問、また電話などによる安否確認も含まれます。
サービスの対象者
このサービスは、要介護1~5と認定された方が対象となります。特に、以下のようなケースで活用されることが多いようです。
- 独居や高齢夫婦のみの世帯で、常時見守りや支援が必要な方
- 夜間の急変が心配される方
- 定期的な服薬確認や健康チェックが必要な方
サービスの主な内容
- 定期巡回サービス:1日に複数回、決まった時間に訪問。排泄介助・服薬確認など。
- 随時対応サービス:急な体調変化や困りごとに電話で相談、必要に応じて訪問。
- 随時訪問サービス:相談を受けた結果、訪問が必要と判断された場合の訪問支援。
- 訪問看護サービス:医師の指示のもとで行われる看護(必要な場合にのみ)。
定期巡回サービス
1日に数回、自宅を訪問して安否確認や身体介護、生活支援を行います。訪問の時間帯や回数は、ケアプランに基づいて個別に決められます。
- 食事・排泄・入浴の介助
- 服薬支援やバイタルチェック
- 見守りや生活の相談 など
随時対応サービス(オペレーションセンター)
24時間体制でコールセンターが対応し、利用者やご家族からの連絡に応じて、必要に応じて訪問スタッフを派遣します。
- 体調不良時の相談
- 転倒などの緊急対応
- 夜間の見守り・再確認 など
随時訪問サービス
随時対応センターからの指示に基づき、必要に応じてヘルパーや看護師が訪問します。
サービス提供者がすぐに現地に向かう体制がとられていることが、他のサービスとの大きな違いです。
訪問看護(連携)
医療的ケアが必要な場合には、訪問看護ステーションと連携し、看護師が定期的に訪問することも可能です。
- 医師の指示に基づいた医療的処置
- 健康状態の観察
- リハビリテーションの支援 など
サービスの特徴とメリット
- 24時間対応:昼夜を問わず、必要なときに支援が受けられる安心感があります。
- 柔軟なサービス提供:利用者の状態や要望に応じて、訪問の頻度や内容を調整できます。
- 介護と医療の連携:訪問看護との組み合わせにより、より包括的な支援が可能になります。
利用料金(自己負担)
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は介護保険のサービスのため、基本的には1割〜3割の自己負担となります(所得に応じて変動)。
月額の目安(1割負担の場合)※あくまで一例です
要介護度 | 月額負担額(目安) |
---|---|
要介護1 | 約5,500円前後 |
要介護2 | 約9,000円前後 |
要介護3 | 約14,000円前後 |
要介護4 | 約19,000円前後 |
要介護5 | 約23,000円前後 |
- 上記は2024年度の基準に基づく概算です。
- 訪問看護を利用する場合は医療保険との併用が発生することがあります。
- 利用者の状況やケアプランによっても料金は変動します。
利用するにはどうすればよい?
サービスの利用には、担当のケアマネージャーを通じてケアプランに位置づけてもらう必要があります。また、自治体やサービス提供事業所によって実施状況や提供体制に差があるため、まずは地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に相談してみるとよいと思います。
注意しておきたいこと
- 提供事業所が地域に限られている場合があります。
- 看護サービスの利用には、医師の指示書が必要です。
- 費用は介護保険適用後、1~3割の自己負担となりますが、訪問頻度が高いため、通常の訪問介護より負担が増える可能性もあります。