通所リハビリテーション(デイケア)

通所リハビリテーション(デイケア)は、介護保険制度に基づくサービスのひとつで、利用者が日帰りで施設に通い、リハビリテーションや日常生活の訓練、健康チェックなどを受けられる支援です。主に自宅で生活する高齢者が、身体機能や認知機能の維持・回復を目的として利用します。

通所介護(デイサービス)と似ていますが、デイケアは医師の指示のもとで理学療法士や作業療法士などによる専門的なリハビリを受けられる点が特徴です。レクリエーションなどは少なくなります。

サービス内容

通所リハビリテーションでは、以下のようなサービスが受けられます。

  • 理学療法士による身体機能の維持・改善
    • 歩行訓練、筋力トレーニング、関節可動域訓練など
  • 作業療法士による日常生活動作(ADL)の訓練
    • 食事、着替え、トイレ動作、調理など生活動作の訓練
  • 言語聴覚士による言語機能や嚥下機能のリハビリ
    • 言葉のリハビリや、食事中のむせ予防訓練など
  • 健康チェック
    • 血圧測定、体温、脈拍、体調確認など
  • 入浴や食事の支援
    • 施設によっては、入浴や昼食の提供も行われます
  • 送迎サービス
    • 利用者の自宅と施設間の送迎があります

利用できる人と手続き

通所リハビリテーションは、要介護認定で「要支援1・2」または「要介護1〜5」と認定された方が対象です。利用には主治医の診察と「リハビリテーション実施計画書」の作成が必要で、ケアマネジャーを通じてサービスの調整が行われます。病院のリハビリテーションとの併用はできません。

利用料金の目安

通所リハビリテーションの利用料金は、介護保険が適用され、自己負担は1割〜3割となります(所得に応じて異なります)。料金はサービス内容や利用時間、要介護度によって異なりますが、以下のような目安があります。

要介護度 利用時間(3時間〜5時間) 自己負担(1割)
要介護1 約400円前後/回 約400円
要介護3 約600円前後/回 約600円

※このほかに、食事代(300円〜700円程度)や送迎加算、個別リハ加算などが加わる場合があります。

デイケアとデイサービスの違い

項目 デイケア(通所リハビリ) デイサービス(通所介護)
主な目的 専門的なリハビリ 介護・見守り・交流
実施場所 医療機関・介護老人保健施設など 通所介護事業所
実施者 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など 介護職員、生活相談員など
医師の関与 必要(指示が必須) 不要(常駐不要)

どちらを選ぶかは、利用者の身体状況や目的によって決まります。

まとめ

通所リハビリテーション(デイケア)は、専門職による本格的なリハビリを日帰りで受けられる支援です。自宅での生活を維持したい方、退院後のリハビリを続けたい方などにとって有効な選択肢となります。利用を希望する場合は、主治医やケアマネジャーに相談するのがよいと思います。施設を選ぶ際には事前に見学させてもらうのがよいです。

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