介護離職を防ぐために職場とどう話すか

家族の介護が必要になったことで、仕事との両立について考えなければいけないケースが生じることがあります。職場にどの程度まで伝えるべきか、どのタイミングで相談すればよいのかなど、判断に迷うこともあるかもしれません。ここでは、介護離職という選択に至る前に、職場とどのように話を進めていくことが考えられるかを整理してみます。

基本的な考え方

すべてが決まってからではなく、途中経過として共有する

介護が始まった直後は、今後の状況が見通しにくいことがほとんどかと思います。制度の利用予定や支援体制が完全に整っていなくても、現時点で分かっている範囲を上長に共有しておくことで、今後の調整について話し合いがしやすくなるかと思います。

退職を前提にせず、継続を前提とした話題として扱う

介護が必要になると、仕事を続けること自体が難しいのではないかと考えてしまうこともあります。ただ、退職を前提に話を進めるのではなく、「続けるために何が考えられるか」という視点で共有を行うことで、検討できる選択肢を整理し直すきっかけにできるかと思います。

職場に伝える前に整理しておきたいこと

現時点で分かっている事実を書き出す

相談の場では、すべてを正確に説明する必要はありませんが、次のような点を整理しておくと、状況を伝えやすくなります。

  • 介護が必要な家族がいること
  • 現段階で想定される介護の内容や頻度
  • 業務に影響が出る可能性がある点(通院付き添い、急な連絡など)
  • 現時点で考えている希望や不安

あくまで「現時点ではこのように考えている」という整理でよいと思います。

気持ちと事実を分けて考える

介護の話題は感情が伴いやすく、不安や焦りが先に立つことがあります。相談の場では、気持ちを伝えつつも、事実として何が起きているかを切り分けて説明することで、職場側も状況を把握しやすくなります。

制度や社内ルールを事前に把握しておく

介護休業・介護休暇の位置づけを確認する

育児・介護休業法では、一定の条件を満たす労働者について、介護休業や介護休暇の制度が定められています。これらは長期的な対応と短期的な対応で役割が異なりますが、制度の概要を把握しておくと、相談時の説明や判断の材料として使うことができます。

職場独自の制度がないかを確認する

法律上の制度とは別に、企業独自に勤務時間の調整や在宅勤務などを設けている場合があります。就業規則や社内制度を確認し、独自制度があれば介護制度とあわせて現実的な選択肢とすることができます。

話し合いは一度で結論を出さなくてよい

状況に応じて見直す前提で共有する

介護の状況は、時間の経過とともに変わることがあります。最初の相談で最終的な結論を出そうとせず、一定期間ごとに見直す前提で話をしておくと、仕事と両立していく形で進めやすくなると思います。

職場以外の相談先も併せて活用する

職場との話し合いと並行して、地域包括支援センターやケアマネジャーなど、介護の専門窓口に相談することで、より具体的な介護の見通しを整理することができます。その内容を職場と共有することで、いろいろな判断材料として活用できます。

介護の専門窓口に相談することで見えてくること

介護の専門窓口に相談することで、介護の状況が制度上どの段階にあるのかが整理され、要介護認定が必要かどうか、申請する場合に想定される流れや時期についても説明を受けられます。

あわせて、利用できる介護保険サービスや地域の支援について、現実的な選択肢が示されます。訪問介護や通所サービス、短期入所などの中から、家族が担う部分と外部に任せられる部分を切り分けて考えられるようになります。

介護にどの程度の時間や対応が必要になりそうか(毎日の対応が必要なのか、週に数回で足りるのか、急な対応が想定される場面があるか等)が明確になることで、職場に説明する際にも、今後の調整の必要度合いについて具体的に共有できます。

また、今後状況が変わった場合の相談先や、次に検討すべき対応についても確認できます。

介護離職を防ぐために意識しておきたいこと

介護と仕事の両立は、本人だけで解決できる問題ではありませんので、制度を知り、職場と状況を共有し、必要に応じて外部の支援を取り入れることが必要になってきます。

「辞めるしかない」と考える前に立ち止まり、段階ごとに判断していくという前提で調整していくと、仕事と両立するための現実的な判断がしやすくなるかと思います。

参考資料

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